目次
ECサイトの検索順位低下は技術的ミスが主原因
検索順位が急落する背景にある技術的問題
ECサイトの検索順位が突然低下する。売上に直結する悩みだからこそ、焦りと不安が交錯します。
GA4で流入数の推移を確認してみると、ここ3ヶ月で30%以上の低下。MakeShop管理画面で設定を確認しても、コンテンツは増やしているのに検索からの訪問は減り続けている。こうした状況に陥っているECサイト運営者は少なくありません。
しかし、その原因のほとんどはコンテンツの質の問題ではなく、見えない技術的ミスが主原因です。Googleのアルゴリズムアップデートが話題になりがちですが、実際には自社サイト側の技術的な設定不備が検索順位を大きく左右しています。
ECサイトはShopifyやEC-CUBE、カラーミーなど複数のプラットフォームで構築されています。プラットフォームごとに異なるSEO設定の落とし穴があり、それが気づかないうちに検索評価を下げているのです。
ECサイト特有のSEO課題とは
一般的なコーポレートサイトと比べて、ECサイトには固有の技術的課題が存在します。
その最大の特徴はページ数が多く、構造が複雑であるということです。商品数が数百から数千に及ぶECサイトでは、URLの正規化やカノニカルタグの設定が不完全になりやすい。さらに、フィルター機能やソート機能による重複ページが無数に発生します。
また、在庫状況による動的なページ変更、セール期間のバナー更新、商品説明の微修正など、頻繁なコンテンツ変更がクローラーに認識されにくい状態に陥るケースも多くあります。株式会社猫の手がEC業界SEO部門1位(2023年)を獲得したのは、こうした複雑なECサイトの技術的課題を体系的に解決してきたからです。
ECサイト特有の課題は、技術的緊急度が高い割に、気づきにくい性質を持っています。だからこそ、ECサイトのSEO診断と改善の優先順位付けが極めて重要なのです。
ECサイトが陥りやすい7つのSEO技術的ミス

URLの正規化設定の誤り
ECサイトでは同じ商品ページに複数のURLからアクセスできる状況が頻繁に起こります。例えば、商品IDとカテゴリの組み合わせで異なるURLが生成されたり、セッションパラメータが付与されたりします。
正規化設定(rel=”canonical”タグ)がない、または不正確だと、Googleは複数のバージョンのページを別物と認識してしまいます。その結果、評価が分散し、本来より低い順位に留まるのです。
ページスピード低下による評価ダウン
Shopifyなどのプラットフォームで構築されたECサイトでも、画像最適化が不十分なままだと表示速度は著しく低下します。特に商品一覧ページでは数十枚の画像を読み込むため、最適化の有無で大きな差が生まれます。
Googleはページスピードをランキング要因の一つとしており、Core Web Vitalsのスコアが低いサイトは順位を下げられます。
重複コンテンツの未処理
ECサイトでは、フィルター機能やソート機能によって同じ商品群が異なるURLで表示される状況が常態化しています。「価格が安い順」「新着順」「人気順」など、並べ替え結果ごとに異なるURLが生成されるのです。
これらのページは内容がほぼ同じであり、Googleから重複コンテンツと判定されます。正規化設定なしでは、評価が分散してしまいます。
モバイル対応の不完全さ
Googleはモバイルファーストインデックスを導入しており、モバイル版の評価がデスクトップ版よりも重視されます。EC-CUBEなどでカスタマイズされたサイトでは、モバイル対応が不完全なまま運用されることがあります。
特に、タッチボタンの配置、テキストサイズ、フォーム入力の操作性などがモバイルで動作していないと、順位低下の直接原因になります。
メタデータの不備
タイトルタグやメタディスクリプションが設定されていない商品ページが混在している、あるいは機械的に生成された意味不明なメタデータになっているケースが多くあります。
クローラーはメタデータからページの内容を推測するため、不備があると正しく評価できません。
構造化データの欠落
ECサイトではSchema.orgの構造化データ(特にProduct、BreadcrumbNavigation、PriceSpecificationなど)を実装すべきです。これがないと、検索結果での表示が平坦になり、ユーザーのクリック率低下につながります。
さらに、Googleは構造化データの正確さをランキング要因の一つとして考慮しています。
内部リンク構造の不適切
ECサイトでは、カテゴリ階層が複雑になるあまり、関連商品へのリンクが体系的でなくなることがあります。重要な商品ページへのリンク数が不足していたり、孤立したページが生まれたりするのです。
Googleはリンク構造からページの重要度を判定するため、この不備は順位に直結します。
| 技術的ミス | 検索順位への影響度 | 気づきやすさ | 対応難度 |
|---|---|---|---|
| URLの正規化設定の誤り | 極めて高い | 気づきにくい | 中 |
| ページスピード低下 | 高い | 比較的気づきやすい | 中 |
| 重複コンテンツの未処理 | 極めて高い | 気づきにくい | 高 |
| モバイル対応の不完全さ | 極めて高い | 気づきやすい | 低〜中 |
| メタデータの不備 | 中程度 | 比較的気づきやすい | 低 |
| 構造化データの欠落 | 中程度 | 気づきにくい | 中 |
| 内部リンク構造の不適切 | 中〜高い | 気づきにくい | 高 |
改善優先順位の判断基準となる3つの軸
ビジネスインパクト:売上に直結する改善か
技術的な修正には限られたリソースが必要です。だからこそ、売上に最も直結する改善から着手すべきです。
例えば、全体流入の30%を占める商品カテゴリページの正規化設定の修正は、トップページのメタデータ修正よりも優先度が高い。Googleサーチコンソールで各ページのクリック数と表示回数を確認し、どのページが検索流入の中心になっているかを把握することから始めます。
BtoB美容商社で売上1,000%を達成した事例では、検索流入が売上の60%を占める商品ジャンルに集中して技術的改善を行いました。その結果、3ヶ月で検索流入が2倍になり、全体売上の伸長に直結しました。
技術的緊急度:クローラー認識に与える影響度
Googleのクローラーが正しくページを認識できるかどうかは、検索順位を大きく左右します。技術的緊急度が高い問題とは、Googleがサイト構造を正しく理解できなくなっている状態です。
具体的には、正規化設定なしで重複ページが大量に存在する、XMLサイトマップが古い、robots.txtで重要ページがブロックされているなど、クローラーの動作に直接影響する問題を指します。
こうした問題は、Googleサーチコンソールの「カバレッジ」レポートで「除外」「エラー」の件数が増えているかどうかで判定できます。
実装難度:自社リソースで対応可能か
修正に必要な技術的スキル、開発工数、テスト期間を勘案して優先順位を決定します。
例えば、メタデータの修正は実装難度が低いため、ビジネスインパクトが中程度でも早期に着手できます。一方、内部リンク構造の全体的な再設計は実装難度が高いため、事前に丁寧な計画が必要です。
株式会社猫の手が伴走型支援を提供しているのは、このような優先順位の判定そのものが、ECサイト運営者にとって難しいからです。制作から集客、運用まで一社完結で対応できる体制があるからこそ、実装難度も含めた現実的な判断ができるのです。
自社ECサイトの技術的SEO診断フロー

現状把握:Googleサーチコンソールとアナリティクスの読み込み
まず、Googleサーチコンソールで過去3ヶ月から6ヶ月の検索トラフィックの推移を確認します。クリック数と表示回数の比率から、CTR(クリック率)の低下傾向を検出することが可能です。
次に、「パフォーマンス」レポートで、流入の多くを占めるキーワードがどのくらい順位を下げているかを把握します。「掲載順位」の列を使って、昨月から今月への順位変化を確認するのです。
GA4では、「ページ別のセッション数」「直帰率」「平均セッション時間」を商品ページやカテゴリページごとに集計し、どのセクションで急落が起きているかを特定します。
問題抽出:技術的問題の可視化
Googleサーチコンソールの「カバレッジ」レポートを確認すると、「除外」「エラー」の件数が分かります。除外が急増している場合、正規化設定の誤りやXMLサイトマップの問題が疑われます。
同時に、サイトのソースコードを確認し、正規化タグ(rel=”canonical”)が正しく実装されているか、メタデータが機械的に生成されていないか、構造化データが存在するかを検査します。
ページスピードはGoogle PageSpeed Insightsで確認し、LCP(Largest Contentful Paint)、FID(First Input Delay)、CLS(Cumulative Layout Shift)といったCore Web Vitalsのスコアを記録します。
優先順位付け:改善のロードマップ化
抽出された問題に対して、前述の3つの軸(ビジネスインパクト、技術的緊急度、実装難度)を適用し、優先順位を付けます。
その際、意思決定マトリクスを活用することで、感覚的ではなくデータに基づいた判定ができるようになります。
改善優先順位の判定に用いる意思決定マトリクス
インパクト×難度マトリクスの活用方法
意思決定マトリクスは、縦軸に「ビジネスインパクト」「技術的緊急度」を置き、横軸に「実装難度」を置くものです。
最優先:インパクト高&難度低
早期に効果が見込める施策です。例えば、カテゴリページのメタデータ修正は、多くのECサイトで数日で完了し、クリック率向上につながります。
次点:インパクト高&難度中〜高
長期的な改善が必要になりますが、確実に結果につながる施策です。印刷会社ECで100万円から2,000万円の売上へ導いた事例でも、正規化設定とサイト構造の再構築に3ヶ月を要しました。
後回し:インパクト低&難度高
この領域にある改善は、後回しにすべきです。限られたリソースを無駄に消費してしまいます。
段階的改善のシナリオ設計
第1段階(1ヶ月目)では、実装難度の低い改善を集中的に進めます。これにより、早期に改善効果を体感でき、チーム内のモチベーションを維持できます。
第2段階(2〜3ヶ月目)では、実装難度は中程度だが、インパクトが高い改善を並行して進めます。正規化設定の全体的な見直し、内部リンク構造の最適化などが該当します。
第3段階(3ヶ月以降)では、実装難度が高い改善を段階的に導入します。例えば、カテゴリページのテンプレート改善、フィルター機能のSEO最適化などです。
この段階的なアプローチにより、チーム内のリソース配分を最適化できるだけでなく、各段階での改善効果を測定し、次段階の方針に反映させることができます。
技術的SEO改善で失敗する3つのパターン

問題の見立てが不正確なまま改善を進める
多くのECサイト運営者が陥る落とし穴は、原因を特定せずに改善に着手することです。
「順位が下がった → コンテンツを増やそう」という単純な思考回路では、実は技術的ミスが主原因であった場合、改善効果は見込めません。むしろ、低品質なコンテンツを追加することで、さらに順位を下げてしまう可能性もあります。
正確な原因特定には、Googleサーチコンソール、GA4、Page Speed Insights、構造化データテスト、モバイル対応テストなど、複数のツールからの情報を統合する必要があります。これらを個別に見ていては、全体像は見えません。
技術的改善だけで結果を期待する
技術的SEOの改善は、検索順位を上げるための必要条件であり、十分条件ではありません。いくら技術を完璧にしても、ユーザーが求めるコンテンツがなければ、順位は上がりません。
ベビー服ブランドで月3,000万円の売上を達成した事例では、技術的改善と同時に、ユーザーの検索意図に合わせたコンテンツ戦略を並行実行していました。「ベビー服のサイズ選び」「素材の選び方」など、ユーザーの疑問に答えるコンテンツを充実させたのです。
技術改善と質の高いコンテンツの両立がなければ、検索順位の回復は見込めません。
改善効果の測定を放置する
改善を実施した後、効果測定を放置するECサイトが多くあります。改善前後でクリック数、表示回数、CTRがどう変化したか、検索流入が増加したかを記録しないのです。
効果測定なしでは、改善が本当に機能しているのか、別の要因で順位が変動しているのかが不明確になります。さらに、将来の改善施策の優先順位付けも難しくなります。
改善効果を測定するには、実施前に基準値を記録し、実施後1ヶ月ごとに変化を追跡することが重要です。
検索順位回復への構造的なアプローチ
技術改善とコンテンツ戦略の併行実行
検索順位の回復を実現するには、技術改善とコンテンツ戦略が車の両輪として機能する必要があります。
技術改善は、Googleがサイトを正しく理解するための基盤を整えます。これにより、クローラーの効率が向上し、インデックス品質が改善されます。一方、コンテンツ戦略は、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツを提供することで、検索順位を上昇させる力学を作ります。
株式会社猫の手の独自SEOノウハウ(SEO対策40項目)は、この技術改善とコンテンツ戦略の統合を体系化したものです。単なる技術修正ではなく、売上に直結する検索流入を設計する思想が貫かれています。
実装の際は、まず技術的な基盤を整えた上で、ターゲットキーワードに対応するコンテンツを段階的に追加していくプロセスが効果的です。
改善効果の測定と継続的な最適化
改善効果を測定する際は、単に「検索流入が増えたか」という数値だけでなく、その先の行動を追跡することが重要です。
具体的には、検索からの流入が増加した場合、そのユーザーが商品ページを見たか、カートに追加したか、最終的に購入に至ったかを把握する必要があります。GA4の「コンバージョン」機能を使って、検索キーワードごとの購入率を計測するのです。
LP制作で売上8倍(30万円から240万円)を実現した事例でも、初期の施策実施後、ユーザー行動データを詳細に分析し、次の改善方針を調整していました。
改善は一度で完結するものではなく、測定、分析、調整のサイクルを継続することで、徐々に成果が積み上がっていくのです。
ECサイトの検索順位回復は診断と優先順位判定から始まる
ECサイトの検索順位低下に対応するには、その根本原因が技術的ミスにあると仮定し、体系的な診断と段階的な改善を進める必要があります。むやみに施策を実施するのではなく、ビジネスインパクト、技術的緊急度、実装難度の3軸に基づいて優先順位を判定することが重要です。
診断の時点で、Googleサーチコンソール、GA4、Page Speed Insights、構造化データテストなどのツールを複合的に活用し、現状を客観的に把握します。その上で、改善のロードマップを設計し、第1段階では実装難度の低い改善から着手して初期成果を積み上げていきます。
並行して、技術改善とコンテンツ戦略を統合し、改善効果を継続的に測定することで、検索流入から売上へつながるプロセスを構築します。この構造的なアプローチなくしては、ECサイトの検索順位回復は実現しません。
お客様の成功事例
印刷会社が運営するECサイト/BtoB・BtoC複合型
課題:長年運営していた印刷関連のECサイトにおいて、商品ページの重複コンテンツや構造化データの未整備、内部リンクの断絶といった技術的ミスが複数重なり、検索順位が慢性的に低迷していました。集客の大部分を既存顧客への直接営業に頼っており、オーガニック流入からの新規受注はほぼ見込めない状態でした。
施策:株式会社猫の手によるSEO技術診断を実施し、優先度の高い課題から段階的に改善を進めました。具体的には、URLの正規化・canonicalタグの整備、カテゴリページの情報設計の見直し、パンくずリストを含む構造化データの実装、そして商品説明文の独自性強化を順次対応しました。単なる設定変更にとどまらず、購買導線まで含めたサイト全体の改善を伴走型で支援しました。
結果:施策開始から一定期間を経て、ECサイトの月商は100万円から2,000万円規模へと成長しました。技術的な土台を整えたことで検索エンジンからの評価が安定し、新規顧客からの問い合わせおよび受注が継続的に発生する体制が構築されました。
BtoB美容商社/卸売・法人向けECサイト
課題:美容関連商材を法人向けに販売するECサイトで、商品数の増加に伴いクロール効率が著しく低下していました。不要なパラメータURLの大量生成、モバイル対応の不備、ページ表示速度の遅延など、複合的な技術的問題が重なり、主力カテゴリページが検索結果に表示されにくい状態となっていました。
施策:株式会社猫の手がサイト全体の技術監査を行い、クロールバジェットの最適化を最優先課題として対応しました。robots.txtとサイトマップの整備、不要URLのnoindex化、Core Web Vitalsの改善に向けた表示速度チューニングを実施しました。あわせて、法人顧客が検索する際のクエリ傾向を分析し、カテゴリページおよび商品詳細ページのコンテンツ設計を刷新しました。
結果:一連の技術改善とコンテンツ最適化の組み合わせにより、売上1,000%達成という成果につながりました。技術的なミスを放置していた期間に失っていた検索流入が回復し、法人新規顧客からの継続的な受注拡大を実現しています。なお、株式会社猫の手はEC業界SEO部門において2023年・2026年(JBEA)と連続受賞しており、ECサイト特有の技術課題への対応に豊富な実績を持っています。
この記事を書いたのは・・・
猫の手 web部門
株式会社猫の手のWeb制作部門です!ECサイトに関するおすすめ情報やWEB制作に関する情報を発信していきます。makeshopやカラーミー、Shopifyやeccubeなど、ECサイトのサービス情報もお届けしていきます!

