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ECサイトの売上が伸びない理由は施策不足ではなく、意思決定にある
EC業界で働く担当者の多くが同じ悩みを抱えている。月に何十件もの施策提案が挙がり、SNS広告、メールマーケティング、商品ページの改善、カゴ落ちリマインド……その一つひとつは正しく見える。なのに売上は伸びない。むしろ停滞している。
それは施策が足りないのではなく、施策を判断する側のプロセスが機能していないからです。
どの施策を優先するか決められない。誰が最終判断するのか曖昧だ。数字だけを見て判断している。実はこれらのボトルネックが、ECサイト売上停滞の真の原因です。実際にEC運営を支援する中で、売上が伸びている企業と停滞している企業の違いを見ると、その差は意思決定プロセスの質にあります。
多くのEC運営者が陥る心理的・組織的なボトルネック

施策過多による優先順位の喪失
GA4で直帰率を見ると改善の必要性が見える。商品ページのクリック率が低いと写真改善の提案が出る。カゴ落ちの調査をすれば、明確な離脱ポイントが判明する。
すべてが「やるべき施策」に見えます。だから、すべてを同時に実行しようとしてしまう。その結果、リソースが分散し、どの施策の効果か測定できなくなり、次の判断がさらに難しくなる悪循環に陥ります。
Web担当者の兼任が生む判断停止
営業資料の作成、SNSの日常運用、商品登録、カスタマーサポート対応……EC担当者は常に複数の業務を同時進行させています。その中で「次のECサイト改善をどうするか」という戦略的な判断をする時間と心的余裕は、ほぼ存在しません。
判断できない状態が続くと、慣性的に前月と同じ施策を繰り返し、新しい検証は後回しになります。
数字への過度な依存が視点を狭める
数字は重要です。ただし、どの数字を見るかで判断は大きく変わります。直帰率だけ追えば「ページ改善」が最優先に見えます。カゴ落ち率だけ見れば「決済画面改善」が急務に見えます。しかし、本来優先すべきは顧客心理に基づいた優先順位であり、それは単一の数字では見えません。
売上停滞の本質構造を理解する
施策と意思決定の関係性
施策とは「やること」です。意思決定とは「何をやるか選ぶこと」です。この両者は異なります。
売上が伸びない企業は「施策の品質」より「選択の品質」に問題があるケースがほとんどです。優れた施策を100個持っていても、その中から正しい3つを選べなければ、結果には結びつきません。
組織体制が判断スピードに与える影響
決定権が曖昧だと、判断にかかる時間が増えます。営業部門の意見、マーケティングの提案、経営層の指示……複数の声が交錯する中では、結論が出にくい。
一方、売上が伸びている企業では、誰が何を判断するかが明確に分かれています。その結果、判断スピードが高く、検証サイクルも早くなり、改善効果も大きくなる傾向があります。
データ活用と直感のバランス問題
数字だけでは見えないことがあります。顧客がなぜ購入をためらうのか、どの瞬間に不安を感じるのか、実店舗との比較でどのような違いがあるのか——こうした定性的な判断も意思決定には不可欠です。
売上が伸びている企業では、データと現場感覚の両方を活用して、バランスの取れた判断をしています。
売上が伸びている企業と停滞している企業の判断基準の違い

| 判断基準 | 売上が伸びている企業 | 売上が停滞している企業 |
|---|---|---|
| 優先順位の決め方 | 顧客体験(購買心理)を中心に判断 | 施策ありきで、提案順に実行 |
| 時間軸の捉え方 | 短期改善と中期構造改善のバランス | 短期的な数字追求のみ |
| 参考にする事例 | 実店舗の営業思想をECに適用 | 他社のEC施策を上辺でコピー |
| 判断スピード | 1週間以内に判断・実行 | 1ヶ月以上かけて検討 |
| 失敗への向き合い方 | 失敗も含めて検証データとして活用 | 失敗を避けて、判断停止 |
顧客体験を中心に判断しているか
ユーザーが購入しない理由には、心理的なハードルがあることを理解しているかどうかが分かれ目です。
「買わない」の裏には、ユーザーの「失敗したくない……!」という不安が隠れています。金額に見合うのか、効果があるのかという疑問に加えて、ECサイトで特に大きいのが「写真と実物にギャップがないか?」という不安です。
色味やサイズ感、質感がイメージと違ったら、配送は本当に安全なのか、万が一のときの返品対応はあるのか——こうした不安は購入を躊躇させる大きなブレーキになります。
このブレーキを外す判断をしている企業は、多角的な商品写真や動画、利用シーンのイメージを丁寧に伝えることを優先します。そして配送時期の明確な提示や、返品・返金保証で先回りの安心を届けます。画面越しでも失敗しないと思える丁寧な情報設計が、カゴ落ちを防ぎ、購入への一歩を優しく後押しするからです。
短期的な数字と中期的な構造改善のバランス
カゴ落ち対策は短期で売上に直結する施策です。カゴ落ちは一般的に60~80%あると言われており、ここの離脱防止をすることで、売上に直接つながります。10%改善するだけで、カゴ落ち80%の場合、実質50%の売上アップにつながる計算になります。
しかし、同時に3ヶ月先、6ヶ月先のサイト構造改善も進める判断をしています。短期と中期のバランスを取ることで、持続的な売上向上を実現しているのです。
実店舗の営業思想をECに適用できているか
実店舗で成功している企業の多くが、その営業思想をECサイトに適用しています。なぜなら実店舗とECサイトで考えることは本質的に同じだからです。
見込み客をどう予想するのか、どのメディアで販促展開するのか、購入までの導線をどう設計するのか——ECだからといって、これらを軽視することはできません。むしろ売上実績がある企業であれば、実店舗を参考にECサイトの構成を考えることは、訪問者の行動原理を明らかにしていくために非常に有効な手段なのです。
実際に売上を伸ばしている企業の意思決定パターン
カゴ落ち対策を優先する理由
弊社の支援企業では、カゴ落ちリマインド施策を実装しています。次回のサイト訪問時にリマインドを表示したり、会員ユーザーのメールアドレスを取得している場合はMAツールで離脱ポイントを追跡し、メールで追いかけたりという対策です。
カゴ落ちの原因を詳細に調査し、それぞれに対策を取ることで、直接的に売上改善につながっています。ある印刷会社のEC事業では、この判断で売上を100万円から2,000万円へ拡大させています。
新規・リピーター両方に最適化する構成思想
ECサイトは、新規客を迷わせない「分かりやすさ」と、リピーターを飽きさせない「利便性・新鮮な情報」の両方を満たす動線設計が不可欠です。
特にリピーター向けには、更新の頻度や季節に合わせた情報発信が必須となります。どちらか一方に偏るのではなく、初見の信頼感と再訪時の快適さを両立させることで、全顧客層のエンゲージメントとコンバージョン率を高める構成を目指しているのです。
ベビー服ブランドの支援では、この判断により月3,000万円の安定的な売上を実現しています。
ユーザーの購入心理を先読みした施策展開
BtoB美容商社の支援では、購入プロセスの各段階でユーザーが必要とする情報を事前に用意する構成に変更しました。商品選定段階、比較検討段階、購入決定段階——それぞれで心理的なハードルを除去する情報を配置することで、スムーズな購買へ導きました。
この意思決定プロセスの改善により、売上は1,000%を達成しています。
意思決定プロセスを曇らせる失敗パターン

施策ありきの逆算思考
「SNS広告を始めよう」という施策から逆算して、「だからランディングページが必要」と判断するケースがあります。本来は「顧客はどこにいるのか」「何に困っているのか」という顧客理解から施策が始まるべきです。
施策ありきの思考では、その施策が本当に売上につながるのかが検証されないまま、リソースが消費されていきます。
部門間の連携不足が招く重複投資
営業部門が顧客開拓施策を進める一方で、マーケティングが新規客獲得施策を進める。その結果、同じターゲットに対して重複した投資がされてしまうケースが多くあります。
部門間での意思決定プロセスが統一されていないと、こうした重複投資は防ぐことができません。
数字だけを追う経営判断
前月比で10%売上が落ちたから、とにかく施策を増やそうという判断をしている企業もあります。しかし、本来は「なぜ売上が落ちたのか」という原因分析が最初にくるべきです。
季節要因なのか、競合の出現なのか、サイト側の問題なのか——原因が異なれば、取るべき施策も異なります。数字だけを見た判断は、誤った施策選択につながり、さらに悪い結果を招きます。
意思決定プロセスを健全にする構造的なアプローチ
顧客心理に基づいた優先順位の再設定
まずやるべきは、顧客の購買心理をマッピングすることです。認知段階で何が必要か、検討段階で何が不安か、購入決定段階で何が障害になっているか——各段階の心理的ハードルを可視化します。
最も大きなハードルを除去する施策を最優先に選ぶのです。これがEC運営における意思決定の第一原則になります。
判断フレームワークの統一
営業、マーケティング、運用担当者が同じフレームワークで判断することが重要です。「売上への直結度」「実現難度」「必要なリソース」という3軸で、すべての施策をスコアリングする方法が有効です。
共通の判断基準があれば、部門間での議論が簡潔になり、意思決定スピードも上がります。
実店舗の発想をECに導入する思考法
店舗で働く営業担当者は、顧客の表情や声から「今、この人は何に困っているのか」を察知して対応します。EC運営でも同じように、顧客の行動ログやカゴ落ちデータを「顧客からのメッセージ」として解釈する必要があります。
これが株式会社猫の手が自社ECを運営し、現場ノウハウをそのまま提供できる理由です。制作だけでなく、運営を通じて見えた顧客心理の理解を、支援企業に共有することで、より的確な意思決定をサポートしています。
売上停滞から脱却するために何を最初に見直すべきか
意思決定プロセスの改善は、大掛かりなシステム導入や組織変更を必ずしも必要としません。まずやるべきは、今月の判断基準を明確にすることです。
優先順位は何か、誰が判断するのか、データと直感のバランスをどう取るのか——これらを3時間のミーティングで決めるだけで、意思決定の質は大きく変わります。その上で、毎週の振り返りで「この判断は正しかったのか」を検証します。失敗もまた、判断プロセスを改善するための貴重な情報です。
ECサイト売上停滞の本当の原因は意思決定プロセスにあり、施策の数ではなく選択の質を高めることが、売上を伸ばす最短ルートです。
実際のEC運営では、制作からマーケティング、集客、運用まで一社完結で伴走支援をする企業のサポートを受けることで、判断フレームワークの構築と実行が加速します。自社ECを運営しているからこそ、現場で起きている意思決定の課題を理解し、売上に直結した提案ができる体制が実現できるのです。
カゴ落ちリマインド施策でも、新規・リピーター両方への最適化でも、どの施策を選ぶかという判断こそが、2,000万円の売上実績、1,000%の売上達成、月3,000万円の安定売上につながっているのです。
ECサイトに関するよくある質問
Q. ECサイトの売上が伸び悩む根本的な原因とは何ですか?
売上停滞の多くは、商品や広告の問題ではなく、社内の意思決定プロセスの遅さや、データに基づかない経営判断に起因しています。株式会社猫の手がご支援した印刷会社のECサイトでは、意思決定の仕組みと導線設計を根本から見直すことで、売上が100万円から2,000万円へと大幅に改善しました。表面的な施策だけを繰り返しても限界があるため、まず自社の意思決定フローを可視化することが重要です。
Q. BtoBビジネスでECサイトを活用して売上を拡大するにはどうすればよいですか?
BtoBのEC活用で成果を上げるには、購買担当者の検討プロセスに合わせたコンテンツ設計と、信頼構築のための情報提供が欠かせません。実際に株式会社猫の手が支援したBtoB美容商社では、ターゲットの意思決定構造に合わせてサイトを再設計した結果、売上1,000%達成という成果を実現しています。単なる商品掲載にとどまらず、購買判断を後押しする情報設計が鍵を握ります。
Q. ECサイトのCV率を改善するにはどのような施策が有効ですか?
CV率の改善には、ユーザーの行動データを丁寧に読み解き、離脱ポイントや迷いが生じる箇所を特定することが先決です。広告配信との連携においても、ターゲット精度と訴求内容の整合性を見直すことで、広告CV率が0.2%から1.2%へと改善した事例があります。施策を闇雲に追加するのではなく、データをもとに優先順位を設けた改善が長期的な成果につながります。
Q. ECサイトのSEOとコンテンツ戦略の違いは何ですか?
SEOは検索エンジンからの流入を増やすための技術的・構造的な最適化を指し、コンテンツ戦略はユーザーの課題や関心に応える情報を継続的に届ける取り組みです。どちらか一方に偏るのではなく、両者を連携させることで持続的な集客が実現します。実際に1ページで月間300,000PVを達成した事例も、SEO設計とコンテンツ品質の両立によって生まれたものです。なお、株式会社猫の手はEC業界SEOで2023年および2026年(JBEA)において受賞実績を持つ専門チームを擁しています。
Q. MakeShopなどのプラットフォームでECサイトを構築する際に注意すべき点は何ですか?
プラットフォームを選ぶ際は、自社のビジネスモデルや将来的な拡張性との適合性を慎重に判断することが重要です。機能の豊富さだけで選定してしまうと、運用フェーズで意思決定の柔軟性が失われるケースがあります。株式会社猫の手はMakeShop特別認定パートナー・アンバサダーとして、プラットフォームの特性を深く理解したうえで、事業フェーズに合った構築・運用支援を行っています。
Q. ECサイトで月間の売上を安定的に伸ばし続けるにはどうすればよいですか?
一時的な施策による売上の山を作るのではなく、リピート購入の仕組み・顧客育成の導線・データに基づくPDCAサイクルを継続して回すことが安定成長の土台となります。ベビー服ブランドの支援では、これらの仕組みを整備することで月間売上3,000万円を継続的に達成する体制を構築しました。単月の数字を追うだけでなく、事業としての持続性を視野に入れた設計が不可欠です。
Q. ECサイトへの集客にSNSを活用する際、効果的な運用方法とは何ですか?
SNS集客においては、フォロワー数の増加よりも、自社のターゲット層との質の高い接点をいかに継続的に作れるかが成果を左右します。株式会社猫の手が関わったSNS運用では、フォロワー6,000人規模で単価約5円から8円という費用対効果の高い集客を実現した実績があります。投稿頻度やコンテンツの一貫性を保ちながら、ECサイトへの流入につながる導線設計をセットで考えることが重要です。
この記事を書いたのは・・・
猫の手 web部門
株式会社猫の手のweb製作部門です!のECサイトに関するおすすめ情報やWEB製作に関する情報を発信していきます。makeshopやカラーミー、shopifyやeccubeなどECサイトのサービス情報も発信していきます。

