
ブランドとお客様の「気持ち」をつなぐために
ECサイトを制作するとき、最初に悩みがちなのが「構成、どう決めたらいいの?」というところ。
トップページに何を置くか、どんな順番で情報を並べるか。見た目の美しさや使いやすさも大切ですが、それだけでは少し物足りないんですよね。
私がいつも大切にしているのは、「構成って、ブランドとお客様の最初の会話をデザインすること」だという考え方です。
まずは、サイトの目的をきちんと整理しましょう
構成を考えるときに、最初にやるべきことは“目的を言葉にする”ことです。
- 何を届けたいのか(ブランドの想い)
- 誰に届けたいのか(ターゲット)
- どんな気持ちになってもらいたいのか
以前、ある老舗のサイトをリニューアルさせていただいたときは、
- ブランドの世界観をきちんと伝えたい
- 日本のファンをもっと増やしたい
- 名入れ商品など、特別な体験をもっと知ってほしい
という目的が、はっきりしていました。
この“芯”があると、構成の組み立てもぐっとしやすくなるんです。
ユーザーさんの“気持ちの流れ”を想像してみましょう
構成を考えるときに、私がいちばん大事にしているのが、
「このページの次に、どんなことを知りたくなるかな?」
という“感情の流れ”です。
たとえば、普段使いしないような道具って、興味はあるけど「ちょっと難しそう」「自分に使えるかな?」と不安に思う方も多いと思います。
そんなときは、
- 初心者さん向けのやさしい導線を目立たせたり
- 使い方を動画やイラストで見せたり
- 実際に使っている人の声を載せたり
「これなら私にも使えそう」と思ってもらえるように、ひとつずつ気持ちをほぐす構成が効果的なんです。
“ストーリー”を込めて構成をつくる

実際に私が関わったプロジェクトでは、こんな構成にしました!
- 世界観のあるヒーロービジュアル
- 初心者さんに向けた導線(読み物コーナー)
- 商品カテゴリ(用途別・使う人のスタイル別)
- 人気商品やスタッフのおすすめ紹介
- 名入れなどのご提案(贈り物にぴったり)
- ブランドの歩み・ものづくりの背景
- SNSやユーザーさんとのつながり
どれも、ただ情報を並べるのではなく、「お客様の気持ち」と「ブランドの想い」が出会う場所を意識して配置しています。
楽天やモールに流れてしまう…?それでも公式で買いたくなる工夫

楽天や大手モールで買われることが多い…という悩みもよく聞きます。
でも、公式サイトだからこそ伝えられる“価値”があると思うんです。
たとえば、
- 公式サイト限定の名入れやラッピング
- 限定商品
- ギフトとして贈るときの「ストーリー」まで届けられる提案
こういった「体験の違い」を、ページ構成の中にそっと織り込むと、 「せっかくなら、ここで買おうかな」と思ってもらいやすくなりますよ。
動画・レビュー・読みもの…それも全部「構成」です

構成と聞くと、ページの順番やボタンの位置ばかりを想像しがちですが、
- 商品ページの中にある画像
- 実際に使った人のレビュー
- 愛用者の暮らしを紹介するコラム
こういったひとつひとつの要素も、大切な「構成のピース」です。
購入のハードルを下げたり、「いいかも」と思うきっかけを作ったり。 コンテンツが“気持ちの流れ”を支えてくれるんですね。
おわりに
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、タイトルに「売れるより…」と書きましたが、売れるとファンづくりはイコールです。
売れるサイトは、ファン(リピーター)が多いのです。
構成とは、「情報を並べる技術」ではなく、「気持ちに寄り添う順番」をつくること。
そしてそれがうまくできたとき、お客様はただ“買う”のではなく、 「このブランド、なんか好きだな」と思ってくれるようになります。
ECサイトの構成に正解はありません。 でも、そのブランドと、そのお客様にとっての“心地よい流れ”は、きっとあるはず。
そんなふうに、やわらかくて思いやりのある構成を、一緒につくっていけたら嬉しいです。
この記事を書いたのは・・・

shirokuro
デザイナーをしています。セミナーやお客様からも業界のこと、日々勉強させていただいております。 前髪と鼻ポチがある猫と暮らしています。ワンちゃんも好きです。