
こんにちは。Webデザイナーのしろくろです。
猫の手のブログでは、EC担当の方や制作に関わる方に向けて「伝わるデザイン」や「使いやすいサイトの工夫」を発信しています。
今回は、ECサイトをもっと“売れるサイト”に育てていくために、心理学の視点を取り入れたデザインの工夫をご紹介したいと思います。
目次
「使いにくい…」は、小さなストレスから

見た目は整っていて一見よくできているECサイトでも、
「なんとなく操作しづらいな」
「ここで買うのはやめておこうかな…」
と感じてしまうこと、ありませんか?
実は、こういったユーザーのちょっとしたストレスこそが、購入をやめる原因になることがあります。
でも逆に言えば、それを防ぐためのちょっとした工夫で、ECサイトの成果はぐっと変わるんです。
今回は、私たちが制作現場でよく意識している心理学に基づく3つのデザインポイントをご紹介します。
① ヤコブの法則:「慣れた場所にある安心感」

ヤコブの法則とは、ユーザーは、他のサイトで慣れている操作方法を、新しいサイトでも当然のように求めるという考え方です。
たとえばこんな経験はないでしょうか?
カートボタンがどこにあるかわからなくて、買うのをやめてしまった。会員登録の導線が複雑で、途中で離脱してしまった。
これは、ユーザーが「ほかのECサイトと同じように操作できる」と思っているのに、そうなっていなかったことで生まれたストレスです。
デザインの工夫ポイント
🛒 カートや購入ボタンは「見慣れた位置」に配置
→ 商品画像の近くや、右上あたりが定番です。
🔑 ログイン・マイページのリンクは右上に
→ Amazonや楽天など、大手サイトと同じ配置にすることで迷わせません。
📞 アイコンは直感的にわかる形に
→ 電話なら黒電話の受話器、ログインなら鍵のマークなど。奇抜すぎるとユーザーは混乱してしまいます。
初めて訪れるサイトでも「なんか使いやすい」と感じるのは、“慣れ”に寄り添ったデザインがあるから。奇をてらうより、使いやすさと安心感が大切です。
② ストーリーテリング:「物語が人の心を動かす」

ストーリーテリングとは、商品やサービスの背景を「物語」として伝えることで、共感や興味を引き出す手法です。
ただスペックや価格だけを並べるよりも、「なぜこの商品が生まれたのか」「どんな人が作ったのか」を伝えることで、ぐっと記憶に残るコンテンツになります。
ECサイトでの実践例
👕 開発ストーリーを伝える
「このオーガニックコットンTシャツは、肌が弱い子どもを持つデザイナーが、自分の子のために作り始めたのがきっかけでした。」
→ 子育て中の方には特に響きやすく、信頼感にもつながります。
🧳 ユーザーの体験談を紹介する
「旅行前夜、ぎりぎりに届いたこのキャリーケース。軽くて丈夫で、本当に助かりました。」
→ 自分もそうなったら…?と想像を誘うことで購入意欲が高まります。
ストーリーは、記憶に残るだけでなく、感情を動かして“ほしい”を引き出す力があります。商品の背景にある想いを、少しだけでも伝えてみませんか?
③ バンドワゴン効果:「みんなが選んでいる安心感」

バンドワゴン効果とは、多くの人が選んでいるものを、自分も選びたくなるという心理現象です。
「今話題!」「楽天ランキング1位」「累計販売数10万個突破!」といったコピーを見ると、「そんなに人気なら良さそう」と感じてしまいますよね。
ECサイトでの活用ポイント
⭐ レビューや購入実績を具体的に表示
「レビュー★4.8(2,000件)」「3,542人が購入」など、数字があるだけで安心感が増します。
📊 売れ筋ランキングを見せる
→ ユーザーが「他の人は何を買っているんだろう?」と自然に参考にする導線になります。
この効果は「社会的証明」とも呼ばれていて、ユーザーが判断に迷ったとき、他人の行動をヒントに選ぶという心理を活かしたものです。
おわりに:迷わせない、共感させる、安心を届ける
心理学といっても、特別な知識が必要なわけではありません。
どれも「ユーザーの気持ちに寄り添う」ことでできるデザインばかりです。
ECサイトの売上や成果を伸ばすには、ユーザーが気持ちよく行動できる設計がとても大切。
「わかりやすい」「なんだか心地いい」「ここなら信頼できそう」――そんな印象を、デザインの力でつくることができます。
私たちの会社では、こうした心理的な視点も勉強し大切にしながら、ECサイトの設計・デザイン・構築まで一貫してサポートしています。
「今のサイト、少し見直したいかも…」
「誰かに相談してみたいな」
と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください!
この記事を書いたのは・・・

shirokuro
デザイナーをしています。セミナーやお客様からも業界のこと、日々勉強させていただいております。 前髪と鼻ポチがある猫と暮らしています。ワンちゃんも好きです。