目次
Shopifyで売上が伸びない状況とは
よくある売上停滞のパターン
Shopifyを導入して数ヶ月経つのに、思ったように売上が伸びていない。管理画面を見ると月間アクセス数は増えているのに、なぜか購入には繋がっていない。こうした悩みを抱える経営者やWeb担当者は少なくありません。
実は、売上停滞にはいくつかのパターンがあります。アクセス自体が少ないケース、アクセスは多いのに購入率が低いケース、そして購買直前でカートが放棄されるケース。症状が同じに見えても、原因は全く異なるため、対策の方向性も変わってくるのです。
多くの事業者が陥る罠は、「売上が伸びない」という結果だけを見て、根本原因を特定しないまま施策を打つことです。これでは効果的なShopify売上向上につながりません。
Shopify導入後も伸び悩む理由
Shopifyは導入自体は比較的簡単です。デザインテンプレートを選んで、商品情報を登録して、決済機能を設定すれば、形としてはECサイトが完成します。
しかし、これは「ECサイトという箱ができた」という状態に過ぎません。実際に売上を生み出すには、集客・商品提案力・購買体験の3つがすべて揃う必要があります。
特に、楽天やYahooショッピングから自社Shopifyへ移行した事業者の場合、集客インフラが大きく変わります。プラットフォームに依存していた顧客流入が途絶えるため、自社でECサイト売上改善のテコ入れをする体制が整うまで、一時的に売上が低下する傾向も見られます。
売上停滞を引き起こす3つの根本原因

原因1:集客流入の問題
Shopifyサイトへのアクセス数自体が不足しているケースです。月間訪問数が数百程度しかない場合、どんなに優れた商品ページを用意していても、発見されないため売上は生まれません。
この原因には、SEO対策の不足、SNS発信の欠如、有料広告の未実施などが挙げられます。多くの中小事業者は、自社ECに専任のマーケター人員がいないため、Shopify集客対策まで手が回らないという実情があります。
食品メーカーの場合、特に検索流入の構築が重要になります。季節商品の情報発信、レシピコンテンツなどを通じたSEO資産の構築が、長期的な集客の柱となるからです。
原因2:商品ページの問題
アクセスはあるのに、商品ページで離脱が多いパターンです。商品画像が不十分、説明文が曖昧、価格比較がしやすい形になっていないといった理由で、見込み客が興味を失います。
特にBtoB商社の場合、購買企業の意思決定プロセスに情報量が足りていないことが原因になりやすい傾向があります。仕様書、納期条件、ロット数、価格表などが明確に記載されていないと、見積もり依頼という次のステップに進みません。
また、美容ブランドなど視覚的訴求力が重要な業種では、写真やビデオの品質が売上に直結します。スマートフォン撮影の低品質な画像では、購買意欲が低下してしまうのです。
原因3:購買体験の問題
カートまで進んだのに、最終的には購入されないケースです。配送料金が予想外に高い、支払い方法の選択肢が少ない、会員登録が複雑といった理由で、購買直前で離脱が起こります。
Shopify管理画面でカート放棄率を確認すると、30~70%程度が標準的ですが、50%を超える場合は改善の余地があります。特に、海外決済対応が必要な事業では、通貨表示の曖昧さや送金手数料の不透明さが離脱につながりやすいのです。
原因別の判断方法
アクセス数から原因を判別する
まずは月間訪問数を数値化することが重要です。GA4(Google Analytics 4)で「ユーザー」セッション数を確認し、月間の実アクセス数を把握します。
目安として、月間訪問数と売上の関係は以下のようになります。
| 月間訪問数 | 想定売上レンジ | 判断ポイント |
|---|---|---|
| ~1,000 | ~50万円 | 集客の仕組み自体がない状態。SEO・SNS・広告からの流入構築が急務 |
| 1,000~5,000 | 50万~300万円 | 集客は機能しているが、まだ不十分。ページ改善で転換率を上げる余地あり |
| 5,000~20,000 | 300万~1,500万円 | 集客がある程度機能。ページ改善と購買体験の最適化が収益拡大のカギ |
| 20,000以上 | 1,500万円以上 | アクセス基盤がある。転換率改善で大きく売上を伸ばせる段階 |
月間訪問数が1,000未満の場合、原因は明確です。集客の仕組みがないということになります。ページやカート機能を改善しても、見込み客そのものが訪れない状態では改善効果は見込めません。
コンバージョン率から原因を判別する
次に、訪問者のうちどの割合が購入に至っているかを確認します。GA4で「コンバージョン数」÷「ユーザー数」を計算した数値が、購買転換率(CVR)です。
業種別の平均的なCVRは、食品・飲料で1~2%、美容で0.5~1.5%、BtoB商社で2~5%程度が目安となります。自社のCVRがこれらを大きく下回っている場合、ページやカート機能に改善余地があるということです。
注目すべき点は、訪問数が十分にあるのにCVRが低い場合です。例えば月間10,000訪問があるのに売上が月間50万円以下なら、問題は集客ではなく、商品ページまたは購買体験にあると判断できます。
カート離脱率から原因を判別する
カートに商品を入れたユーザーのうち、どの程度が最終購入に至るかを測定するのがカート転換率です。Shopifyの分析機能で「Add to Cart」から「Purchase」への転換率を見ることで、購買体験に問題があるかを判断できます。
一般的に、カートから購入への転換率が40%未満の場合、配送料金の不透明さ、支払い方法の選択肢不足、住所入力フォームの複雑さなど、購買ステップに課題があると考えられます。
特に、スマートフォンユーザーのカート離脱率がパソコンの2倍以上高い場合は、モバイル対応の購買フローに明らかな問題があることを意味します。
実際の改善事例に見る対策の流れ

食品メーカーの集客課題解決事例
某地方の食品メーカーは、Shopifyで自社ECを立ち上げたものの、月間訪問数が300にとどまっていました。これは原因1(集客流入の問題)に該当します。
診断の結果、SEO対策がほぼ未実施だったことが判明しました。商品ページは存在していても、検索エンジンから訪問される可能性がほぼゼロだったのです。
対策として、季節商品の効果的な検索キーワード戦略の策定、商品に関連するレシピコンテンツの定期的な発信、SNSでの顧客とのエンゲージメント強化を実施しました。6ヶ月後には月間訪問数が3,000にまで増加し、売上も100万円を超えるようになったのです。
美容ブランドのページ改善事例
ある美容ブランドは、月間5,000訪問があるのに月間売上が60万円程度という課題を抱えていました。CVRが1.2%と業界平均(1.5%)を下回る状況でした。これは原因2(商品ページの問題)を疑わせます。
分析の結果、商品画像が不足していること、使用感や肌質への合致性を示す情報が不十分であることが判明しました。
高品質な商品写真の追加、実際の使用者による体験記事の掲載、肌質別の選択ガイドの導入を行いました。これにより、CVRが1.2%から1.8%に改善され、月間売上は85万円に達するようになったのです。
BtoB商社の購買体験改善事例
工業用部材を扱うBtoB商社は、月間8,000訪問、月間売上350万円という状況にありました。CVR自体は約4.4%と悪くないのに、もっと売上を伸ばす可能性があると考えられました。
カート離脱率を詳細に分析すると、見積もり依頼フォーム到達時点で40%以上が離脱していることが判明しました。これは原因3(購買体験の問題)です。
フォーム入力項目の削減、納期確認システムの自動化、複数支払い方法の追加対応を実施しました。その結果、カート転換率が45%から60%に改善され、月間売上が1,000万円を超えるようになったのです。
売上改善に失敗するよくある落とし穴
単一施策だけに頼る失敗
「SEO対策をすれば売上が伸びる」「広告を出せば売上が増える」といった単一の施策のみに頼る事業者が多く見られます。しかし、Shopify売上向上は複数の要因が組み合わさって初めて生まれるものです。
例えば、有料広告で月間2,000訪問を獲得しても、商品ページの説明が不十分なら購入には結びつきません。また、ページを完璧に改善しても、そもそも見込み客が訪れなければ効果はゼロです。
失敗の原因は、原因の特定を曖昧なまま施策を実行することにあります。集客・ページ・購買体験のどこに問題があるのかを診断してから、対策を立てるという順序が重要なのです。
データ分析なしの改善試行
売上が伸びないからといって、感覚的に「ページのレイアウトを変えてみよう」「商品説明をもっと詳しく書こう」といった施策を実行している事業者も多くいます。
これは失敗に向かう典型的なパターンです。改善の効果が測定できず、成功したのか失敗したのかの判断もできません。次々と施策を打つだけで、実際には売上が改善していないという状況が繰り返されるのです。
必ず、改善前後で数値(訪問数、CVR、カート転換率)を比較する仕組みを作ることが重要です。GA4でコンバージョントラッキングを設定し、毎月の数値をレポート化することで、何が効果を生んでいるのかが見えてくるようになります。
運用段階での施策停止
改善施策を3ヶ月実施したものの、「思ったほど効果が出ない」という理由で施策をやめてしまう事業者も見られます。特にSEO対策やSNS発信は、効果が出るまでに4~6ヶ月の期間を要するため、短期的な判断で中止するのは危険です。
ECサイト売上改善には「短期的な改善」と「中期的な資産構築」の両方が必要です。有料広告による即効的な集客と、SEOコンテンツの中長期的な資産構築を並行して進めることで、初めて安定した売上基盤が形成されるのです。
Shopifyで売上を伸ばすための体系的対策

集客強化のアプローチ
月間訪問数が目標値を下回っている場合、複数の集客チャネルを組み合わせる必要があります。
まず、自然検索(SEO)からの流入構築が重要です。商品関連のコンテンツやノウハウ記事をブログなどで定期的に発信することで、検索エンジンからの訪問が増加します。特に食品やBtoB商社の場合、製品情報以上に購買検討時の情報ニーズが高いため、関連知識の提供が有効です。
次に、SNS発信を活用した流入強化です。インスタグラムやTwitterなどで定期的に商品情報や業界知識を発信することで、フォロワーとの関係構築が進み、リピート訪問につながります。
また、必要に応じて検索広告やSNS広告による有料流入も組み合わせることで、訪問数の即効的な増加が実現します。
ページ最適化のアプローチ
訪問数は十分だがCVRが低い場合、商品ページの改善が必要です。
まず、商品画像の質的向上です。スマートフォンでの見栄え、複数角度からの撮影、使用シーン撮影など、購買判断に必要な視覚情報を揃えることが重要です。
次に、商品説明文の充実です。単なる仕様記述ではなく、「どういう場面で使うのか」「どんな悩みを解決するのか」といった顧客視点での説明が必要になります。BtoB商社の場合、納期・ロット・技術仕様などの詳細情報を明確に記載することで、購買企業の意思決定が進みやすくなります。
また、商品比較表やサイズガイド、FAQ(よくある質問)などを用意することで、購買時の不安要素を取り除き、確実性を高めることができます。
購買体験改善のアプローチ
カート離脱率が高い場合、購買プロセスそのものの改善が必要です。
第一に、配送料金と送料無料条件の明確化です。カート内で事前に送料が表示され、「あと〇〇円で送料無料」といった情報が見えることで、追加購入への動機づけが生まれます。
第二に、支払い方法の多様化です。クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、サブスクリプション決済など、顧客の選択肢を増やすことで、離脱を防ぐことができます。
第三に、住所入力フォームの簡潔化です。特にスマートフォンユーザーは、複雑な入力フォームを避ける傾向があります。郵便番号から自動的に都道府県・市区町村が入力される機能を導入することで、入力ストレスを軽減できます。
継続的な運用改善の仕組み
売上改善は一度の施策ではなく、継続的な測定と改善を通じてのみ実現します。
月次で訪問数、CVR、カート転換率などの指標をレビューし、目標値との差分を分析することが重要です。GA4の分析機能を活用し、「どのページから離脱が多いのか」「どのデバイスでコンバージョンが多いのか」といった詳細な傾向を把握することで、次月の施策が明確になります。
また、顧客からのフィードバックを定期的に収集することも重要です。購入後のメール調査や、SNSでのコメント・DM返信を通じて、商品やサイトに対する声を直接聞くことで、改善のヒントが得られるのです。
さらに、競合他社の動向を定期的に調査し、業界トレンドの変化に対応することも欠かせません。新しい支払い方法の出現、商品表示方法の進化、セキュリティ要件の強化など、外部環境の変化に素早く適応する必要があります。
売上改善は診断と継続的最適化がカギ
Shopify売上が伸びない原因は、大きく3つに分けられます。集客流入の不足、商品ページの説得力不足、購買体験の阻害要因です。これらのうち、どこに問題があるのかを正確に診断することが、対策の第一歩となります。
月間訪問数やコンバージョン率といった数値を分析することで、問題箇所が見えてきます。その上で、原因別の対策を体系的に実施することが重要です。集客を強化し、ページを最適化し、購買体験を改善する。この3つが揃って初めて、売上の安定的な成長が実現するのです。
つまり、Shopifyで売上を伸ばすとは、原因の診断に基づいた体系的な施策と、継続的な数値検証の循環を通じて、集客・ページ・購買体験のすべてを最適化するプロセスである。売上が停滞している場合は、焦って単一の施策に頼るのではなく、現状を正確に分析し、改善の優先順位を明確にしたうえで、中期的な視点を持ちながら改善を進めることが求められるのです。
Shopifyに関するよくある質問
Q.Shopifyとは何ですか?
Shopifyは、カナダ発の世界最大級のECプラットフォームです。初心者でも簡単にオンラインストアを構築でき、在庫管理、決済処理、配送管理などECサイト運営に必要な機能が一元化されています。月額料金制で利用でき、世界175か国以上で使用されており、企業規模を問わず幅広く導入されています。
Q.Shopifyの月額費用はどのくらいかかりますか?
Shopifyの基本プランは月額29ドルからスタートし、機能や取引量に応じてShopify(月額79ドル)、Advanced Shopify(月額299ドル)の上位プランがあります。これに加えて売上に対する取引手数料(3.4%〜)と、利用するアプリの月額費用が発生する場合があります。事業規模と必要な機能に応じてプランを選択することが重要です。
Q.ShopifyとWordPressのWooCommerceの違いは何ですか?
最大の違いはホスティング環境です。ShopifyはSaaS型でサーバー管理が不要な一方、WooCommerceは自前でサーバーを用意する必要があります。Shopifyは初期設定が簡単でサポートも充実していますが、カスタマイズ性はWooCommerceの方が高いです。また、Shopifyは月額費用がかかりますが、WooCommerce自体は無料で利用できます。
Q.Shopifyで日本語対応のサポートは受けられますか?
はい、Shopifyは日本語でのサポートを提供しています。メール、チャット、電話での問い合わせが可能で、管理画面も完全日本語化されています。また、豊富な日本語ドキュメントやヘルプセンター、コミュニティフォーラムも用意されており、初心者でも安心して利用できる環境が整っています。
Q.Shopifyアプリとは何ですか?
Shopifyアプリとは、Shopifyストアの機能を拡張するためのツールです。Shopify App Storeには8,000以上のアプリが公開されており、マーケティング、在庫管理、顧客管理、SEO対策など様々な用途のアプリが提供されています。無料アプリもあれば月額制の有料アプリもあり、ストアの成長段階に応じて必要なアプリを選択できます。
Q.Shopifyでの決済方法にはどのようなものがありますか?
Shopifyでは多様な決済方法が利用できます。Shopify Payments(Stripe)をはじめ、PayPal、Amazon Pay、Apple Pay、Google Pay、後払い決済、銀行振込、代金引換などに対応しています。クレジットカード決済手数料は3.4%〜で、複数の決済代行会社との連携により、顧客の利便性を高めることができます。
Q.Shopifyでモバイル対応はどのように行いますか?
Shopifyの公式テーマはすべてレスポンシブデザインに対応しており、自動的にモバイル端末での表示に最適化されます。また、管理画面もモバイルアプリが提供されているため、外出先からでも注文管理や在庫確認が可能です。モバイルコマースの重要性を考慮し、スマートフォンユーザーにとって使いやすいストア設計が標準で提供されています。
この記事を書いたのは・・・
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