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ECプラットフォーム選定で多くの企業が失敗する理由
ECプラットフォームを選定する際、多くの企業が同じ失敗を繰り返しています。導入直後は「これで十分」と思っていたのに、運用を開始してから「こんな機能が必要だった」と気づく。そうした後悔の声は、食品メーカーから美容商社、アパレルブランドに至るまで業界を問わず聞かれます。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。その根本的な原因は、プラットフォーム選定の前に要件定義をしていないという一点に集約されます。
実装後に気づく「機能不足」の落とし穴
Shopifyの管理画面で在庫確認していると、ふと「こうしたい」という機能が必要になる瞬間が訪れます。カテゴリと価格帯だけでなく、産地や品種も組み合わせて検索できる機能。複数の配送条件を自動で振り分ける仕組み。顧客セグメントに応じた動的な価格表示。
こうした要望は、ビジネスが成長する過程で必然的に出現します。しかし選定段階で「標準機能で十分」と判断してしまうと、後からのカスタマイズコストは当初の予想をはるかに超えてしまいます。
特に商品点数が多いショップ、または食品・ワイン・アパレルなど複数の属性を持つ商品を扱うショップでは、検索機能の有無がそのまま売上に影響します。目的の商品にたどり着けないユーザーは離脱し、CVRが低下するのです。
要件定義なしの選定がもたらす後悔
「他社が使っているから」「料金が安いから」という理由でプラットフォームを選ぶ企業があります。その結果、ビジネスの実態と選んだプラットフォームの機能に大きなズレが生まれます。
EC-CUBEを導入したものの、運用負荷が想定より大きく、技術者の採用・育成に予算を費やすことになった。MakeShopで始めたが、成長に伴って複雑な検索ロジックが必要になり、APIでの追加開発が必須になった。こうしたミスマッチは、要件定義の不足に起因します。
ECプラットフォーム選定の失敗を防ぐ根本は、プラットフォームを比較する前に自社の要件を言語化することです。「他社が使っているから」「安いから」という理由での選定は、後々の追加開発コストや運用負荷として必ず跳ね返ってきます。
ECプラットフォーム選定の前に整理すべき要件とは

プラットフォーム選定で失敗しないためには、まず自社のビジネスモデルを言語化することが必須です。抽象的な「使いやすさ」ではなく、具体的な業務フローと機能要件に落とし込む必要があります。
ビジネスモデルに基づく要件の抽出
ビジネスモデルの分析は、三つのレイヤーで行います。
- 何を売るのか(商品の特性・属性数)
- 誰に売るのか(顧客セグメント・購買パターン)
- どのように売るのか(流通経路・在庫管理の複雑さ)
BtoB美容商社が売上1,000%を達成した事例では、この三層の要件定義が徹底されていました。複数の流通チャネル、顧客別の価格設定、在庫の一元管理といった複雑な要件を洗い出し、それに対応可能なプラットフォームを選定したのです。
同様に、ベビー服ブランドが月3,000万円の売上を実現する過程でも、サイズ・色・素材といった多次元の属性を持つ商品の検索・閲覧体験が重視されました。要件定義の段階で、このニーズが明確に認識されていたからこそ、後々の機能追加で焦ることなく成長を続けられたのです。
商品特性と検索・閲覧体験の関係性
商品の属性数が多いほど、検索機能の設計が重要になります。単純なカテゴリ分けだけでは、ユーザーは目的の商品にたどり着けません。
例えば、食品を扱うショップでは「産地」「価格帯」「調理方法」「アレルギー表示」といった複数の軸が同時に機能します。ユーザーが「北海道産で、5,000円以下、調理時間10分以内」という条件で検索できなければ、ページ遷移の数が増え、離脱率が高まります。
ECサイト構築における技術選定では、このユーザーの検索パターンを具体的に列挙することが必須です。「どのような条件の組み合わせが想定されるのか」を整理することで、プラットフォーム選定の判断基準が明確になるのです。
成長段階に応じた拡張性の評価軸
多くの企業は「今」の要件しか考えていません。しかし、ECは成長するにつれて新しい機能ニーズが出現します。
立ち上げ初期は月間数百万円の売上でも、2年後には月1,000万円を超えるかもしれません。その段階で必要な機能は、初期段階とは全く異なります。顧客セグメントごとの価格設定、複雑な在庫管理、リアルタイムの売上分析、外部システムとの連携といった要件が急速に増えるのです。
要件定義のポイント:初期段階だけでなく「3年後の姿」を想定することが重要です。その時点で必要な機能に対応できるプラットフォームの拡張性を評価することが、ECサイト構築における技術選定の核心です。
プラットフォーム選定の判断基準:標準機能 vs カスタマイズ
ECプラットフォーム選定では、「標準機能で対応できるのか、カスタマイズが必要なのか」という判断が重要です。この判断を誤ると、当初の予算を大幅に超える追加開発費が発生します。
標準機能で対応できるシーンの見極め方
標準機能で対応できるシーンの特徴は、以下の三点です。
- 商品属性が少ない(5種類以下)
- 在庫管理が単純(一元管理のみ)
- 顧客セグメントが単一(一般消費者向けのみ)
例えば、シンプルなコーポレートグッズを販売するショップであれば、Shopifyの標準機能で対応可能です。在庫管理も単純で、カスタマイズのニーズは限定的です。
しかし、食品や美容商品、特に複数の流通チャネルを持つBtoB企業の場合、状況は異なります。
カスタマイズが必須になるビジネス要件
カスタマイズが必須となるシーンは、以下の通りです。
- 複数の条件を組み合わせた検索が必要
- 在庫が複数の倉庫・流通チャネルに分散
- 顧客セグメント別に異なる表示・価格設定が必要
- 外部システム(仕入先システム、会計システムなど)との連携が必要
- リアルタイムな在庫状況の反映が必須
印刷会社のECサイトが100万円から2,000万円の売上へ成長した事例では、複数の条件検索機能の実装がその成長を支えました。顧客が用紙の種類、サイズ、色、納期から同時に検索できる仕組みが構築されていたのです。
複数条件検索が売上に直結するケース
特にMakeShopで事業展開している企業では、標準機能だけでは対応できない複雑な検索ニーズが出現します。MakeShopの標準機能では、カテゴリと価格帯の組み合わせ検索が限界です。しかし、ユーザーの検索行動はより複雑化しています。
ワインを扱うショップでは「タイプ・産地・価格帯・ヴィンテージ」という四つの条件を同時に検索したいというニーズが発生します。食品ショップでは「産地・調理時間・アレルギー表示」といった複数の軸での絞り込みが必要になります。
これらのニーズに対応するためには、MakeShop APIと連携した独自の検索システムをカスタム開発する必要があります。このような独自アプリケーション開発では、月額費用をかけるのではなく、初期開発費用のみで継続利用が可能な構造設計が重要です。
プラットフォーム比較と判断基準:MakeShop・Shopify・EC-CUBE・カラーミー・ec forceの使い分け

各プラットフォームには、最適な適用シーンがあります。要件定義が完了したら、その要件にマッチするプラットフォームを選定することが重要です。
| プラットフォーム | 最適なシーン | 拡張性・カスタマイズ | 運用負荷 |
|---|---|---|---|
| MakeShop | 国内ユーザー向け・中堅EC | APIでの追加開発が必要 | 低(ホスティング型) |
| Shopify | 越境EC・外部連携重視 | App Storeで拡張可能 | 低〜中(サードパーティ依存) |
| EC-CUBE | 完全カスタマイズが必要 | 非常に高い | 高(技術者が必要) |
| カラーミー | 小〜中規模・シンプルな運用 | 限定的 | 低(ホスティング型) |
| ec force | 定期購入・サブスク型 | Shopifyベース・中程度 | 中(専門知識が必要) |
MakeShopが最適な企業像と導入メリット
MakeShopは、国内向けのEC展開を考える企業にとって最適なプラットフォームです。特に、日本国内の消費者向けビジネスで、月間数百万円から数千万円の売上規模を想定する企業に適しています。
MakeShopの強みは、ホスティング型であるため運用負荷が低いという点です。サーバー管理やセキュリティ更新を提供者に任せられるため、自社のリソースをビジネス成長に集中できます。
しかし、標準機能だけでは対応できないニーズが出現した場合、APIを通じた追加開発が必須になります。このタイミングで、独自アプリケーションの開発パートナーを選定することが重要です。
Shopifyで実現できる機能拡張の幅
Shopifyは、グローバル展開や複雑な機能連携が必要な企業に適しています。App Storeに数千のアプリが存在し、標準機能では対応できないニーズを外部アプリで補える仕組みが整っています。
越境EC、複数通貨対応、多言語展開といった要件がある場合、Shopifyの選定は合理的です。ただし、多くのアプリを導入するとランニングコストが上昇するため、要件定義の段階でアプリ導入の必要性を慎重に検討する必要があります。
EC-CUBEを選ぶべき理由と運用負荷
EC-CUBEはオープンソースのプラットフォームであり、完全なカスタマイズが可能です。しかし、その代わりに運用負荷が極めて高くなります。
EC-CUBEを導入する場合、自社に有能なエンジニアがいるか、またはエンジニアの採用・育成に投資する覚悟が必要です。単にプラットフォームを導入するだけではなく、継続的な保守・運用体制が不可欠なのです。
中堅企業が「EC-CUBEなら安い」という理由だけで選定し、後に技術者採用のコストで痛い目を見るケースは少なくありません。
カラーミーとec forceの役割分担
カラーミーは小〜中規模、シンプルな運用を想定する企業向けです。初期投資が少なく、短期間での運用開始が可能です。一方、ec forceは定期購入やサブスクリプション型のビジネスモデルに特化しており、複雑な顧客管理と自動課金の仕組みが標準で搭載されています。
要件定義の段階で「定期購入機能が必須か」という点を明確にすることで、カラーミーとec forceの選別が可能になります。
要件定義で見落とされやすい3つの失敗パターン
実務の現場では、以下の三つの失敗パターンが繰り返されています。
検索機能の重要度を過小評価するケース
多くの企業が「検索機能は後で考えればいい」と判断します。しかし、これは大きな誤りです。
GA4で直帰率を分析したとき、「ユーザーが検索結果から遷移していない」という事実に気づく経営層は多くいます。その時点で検索機能を改善しようとしても、プラットフォームの制限によってカスタマイズができないという状況に陥るのです。
特に、商品点数が100点を超えるショップでは、検索機能の有無がそのまま売上に影響します。ECサイト構築における要件定義の早期段階で、複雑な絞り込み検索の必要性を認識することが重要です。
初期段階の要件に縛られた成長阻害
初期段階での要件定義が「今」だけに焦点を当てると、成長の過程で制約が生まれます。
例えば、月間売上500万円を想定して選定したプラットフォームが、2年後に月5,000万円の売上に対応できないというシーンが出現します。その時点で別のプラットフォームへの移行は、莫大なコストと業務停止を意味します。
要件定義では、初期段階だけでなく「3年後の姿」を想定することが必須です。
運用体制と技術選定のミスマッチ
技術選定と運用体制のミスマッチは、多くの企業が直面する問題です。
例えば、EC-CUBEを導入したものの、自社に技術者がいない場合、継続的な保守費用が想定を大きく超えます。MakeShopを選んだのに、複雑なカスタマイズが必要になり、パートナー企業への追加開発費が膨らむ。こうした状況を避けるために、プラットフォーム選定と同時に「誰が運用するのか」「どのレベルの技術支援が必要か」を明確にする必要があります。
実務では、Slackに深夜の通知が届いて緊急対応を迫られるというシーンが繰り返されます。このような事態を避けるためには、運用体制の構築がプラットフォーム選定と同じくらい重要なのです。
失敗パターンの共通点
- 検索機能の重要度を過小評価し、後から対応できない状況に陥る
- 初期要件だけで選定し、成長段階でプラットフォームの限界にぶつかる
- 運用体制を考慮せずに技術選定し、保守コストが想定を超える
正しい要件定義に基づくプラットフォーム選定の流れ

要件定義からプラットフォーム選定に至るプロセスには、正しい順序があります。
ビジネス要件のヒアリングから始まる構造
プロセスの第一段階は、ビジネス要件の洗い出しです。これは、以下の項目を体系的にヒアリングするプロセスです。
- 商品の属性数と複雑さ
- 顧客セグメントの多様性
- 在庫管理の複雑度
- 外部システムとの連携ニーズ
- 売上規模の3年後の予測
- 現有する技術人材の質と量
- 運用予算の上限
この段階では、数値的な根拠を持つことが重要です。「将来的に成長するかもしれない」という曖昧さではなく、「3年後の月間売上は現在の10倍を想定」というように定量的に表現することです。
各プラットフォームの機能マップとの照合
ビジネス要件が明確になったら、各プラットフォームの標準機能と照合します。プラットフォーム比較における判断基準として、このステップでは以下の項目を確認します。
- 必須とした機能が標準で搭載されているか
- 標準機能では不足する部分の追加開発コストはいくらか
- 外部システムとの連携が可能か
- 拡張性は想定される成長段階に対応しているか
この段階で重要なのは、「完全に要件に一致するプラットフォームは存在しない」という認識です。どのプラットフォームを選んでも、何らかの追加開発が必要になります。その追加開発コストと期間を想定することが、意思決定の基準になるのです。
予算・期間・運用体制を含めた総合判断
最終的な判断には、技術要件だけでなく、予算・期間・運用体制が含まれます。
以下の判断基準を参考にしてください。
- 初期投資が300万円以下で、運用負荷を最小限にしたい ⇒ MakeShop・Shopify・カラーミー
- 複雑なカスタマイズが必須で、技術者が確保できる ⇒ EC-CUBE・Shopify
- 定期購入機能が必須 ⇒ ec force
- 越境ECを視野に入れている ⇒ Shopify
- 3年後に月5,000万円以上の売上を想定 ⇒ Shopify・EC-CUBE
広告CV率が0.2%から1.2%に改善した事例では、プラットフォーム選定と同時に、複数条件検索機能の実装がなされていました。ユーザーが目的の商品により早くたどり着けるようになったことで、コンバージョン率が向上したのです。
ECプラットフォーム選定は「今」だけでなく「3年後」を見据えて
プラットフォーム選定で最も重要な視点は、「今のビジネスに合わせるのではなく、成長後のビジネスに対応できるかで判断する」ということです。
採用LPで問い合わせが700%増加した企業でも、ベビー服ブランドが月3,000万円の売上に到達した企業でも、必ずこの視点を持っていました。初期段階では不要に思える機能が、成長の過程で急速に必須になるのです。
つまり、ECプラットフォーム選定とは、「現在のビジネスモデルと3年後の想定成長をバランスさせながら、追加開発のコストと期間を見積もり、予算・期間・運用体制と合わせて総合的に意思決定するプロセス」である、ということです。
正しい要件定義に基づくプラットフォーム選定では、以下の三点が達成されます。
- 導入後の機能不足による追加開発を最小限に抑えられる
- 成長段階に応じた拡張が計画的に実行できる
- 運用体制と技術選定のミスマッチを事前に防ぐことができる
株式会社猫の手は、自社でMakeShop・Shopify・EC-CUBEなど複数のプラットフォームを運用する制作会社として、クライアント企業の現場ノウハウをそのまま提供します。デザイナー・エンジニア・マーケターを内製し、制作から集客、運用まで一社で完結できる体制を整えています。
印刷会社のECサイトで100万円から2,000万円への成長、BtoB美容商社での売上1,000%達成といった実績は、このような正しい要件定義と継続的な伴走支援の結果なのです。ECプラットフォーム選定で迷ったら、自社の現場経験を持つパートナーに相談することをお勧めします。
お客様の成功事例
印刷会社のEC参入:月商100万円から2,000万円への成長
法人向け印刷サービスを主軸に事業を展開していた中規模の印刷会社様は、ECチャネルの新規立ち上げにあたり、どのプラットフォームを選ぶべきか判断軸をお持ちではありませんでした。自社の受注フローや法人顧客特有の見積もりプロセスを整理しないまま構築を進めてしまうと、後から大規模な改修が必要になるリスクがあるという課題を抱えていました。
課題:BtoB取引に対応できる受注管理の仕組みと、既存の基幹システムとの連携要件が曖昧なまま、プラットフォーム選定が進んでいた。
施策:株式会社猫の手が要件定義の段階から関与し、法人ごとの価格設定・掛け率管理・請求書払いへの対応といったBtoB要件を洗い出したうえで、最適なプラットフォーム構成とシステム連携の設計を行いました。運用フローの可視化を先行させることで、構築後の手戻りを最小限に抑える体制を整えました。
結果:EC開始時の月商100万円から、運用改善を重ねることで月商2,000万円規模へと成長。要件定義を丁寧に行ったことで、追加開発コストを抑えながらスケールできる基盤が実現しました。
BtoB美容商社:売上1,000%達成への転換
プロ向け美容材料・業務用コスメを取り扱う商社様は、長年にわたり営業担当者経由の受注に依存していました。ECへの移行を検討していたものの、取引先ごとに異なる商品ラインナップや価格体系をどのようにオンライン上で再現するかが大きな壁となっており、要件の整理が追いついていない状態でした。
課題:得意先ごとに異なる商品閲覧権限・価格・在庫の見せ方を一元管理できるプラットフォームの選定基準がなく、社内の合意形成も難航していた。
施策:株式会社猫の手との要件定義ワークショップを通じて、取引先属性ごとの表示制御・会員ランク設計・受発注フローを言語化。その要件を満たすプラットフォームの比較選定を行い、構築から運用立ち上げまでを一貫して支援しました。また、広告運用の最適化にも取り組み、広告のCV率を0.2%から1.2%へ改善することで、新規取引先の獲得を加速させました。
結果:EC導入後、売上は1,000%を達成。営業リソースを新規開拓に集中できる体制が整い、既存顧客の継続購入率も大幅に向上しました。なお、株式会社猫の手はMakeShop特別認定パートナー・アンバサダーとして認定されており、プラットフォームの深い知見をもとに選定から運用まで一貫したサポートを提供しています。
この記事を書いたのは・・・
猫の手 web部門
株式会社猫の手のweb製作部門です!のECサイトに関するおすすめ情報やWEB製作に関する情報を発信していきます。makeshopやカラーミー、shopifyやeccubeなどECサイトのサービス情報も発信していきます。

