IT導入補助金について聞いたことはありますか?
聞き馴染みのない制度だという方も多いかも知れません。しかし、この補助金が実際に中小企業や小規模事業者にどのような影響をもたらすのか、今日はこのIT導入補助金がビジネスに与える可能性、そしてその活用方法をIT導入補助金を利用したEC構築の実績豊富な猫の手が徹底的に解説します。
この記事を読むことで、あなたのビジネスが次のステージに進むための重要な一歩を踏み出せるかもしれません!
IT導入補助金とは?
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が情報技術(ITツール)を導入する際に、その費用の一部を補助するための制度です。この補助金は、多くの場合、国や地方自治体によって提供されます。
目的は、中小企業がITを活用して業績を向上させること、または新しいビジネスモデルを開発することを促進することにあります。
補助金は通常、特定のIT関連プロジェクトやソフトウェア、ハードウェアの導入、またはそれに関連する研修などに使われます。補助金の額や対象となるプロジェクトは、制度によって異なる場合があります。
この制度を利用することで、中小企業は資金面の負担を軽減し、より効率的なビジネス運営や新しいビジネスチャンスの創出が可能になります。ただし、補助金を受けるためには一定の条件を満たし、必要な申請手続きを行う必要があります。それに加えて、補助金が出るかどうかは審査によって決まりますので、事前にしっかりとした計画と準備が必要です。
導入できる具体的なITツールは?
IT導入補助金で導入できるツールやソフトウェアは、その補助金の制度や規定によって異なる場合があります。ただし、一般的には以下のようなカテゴリーに分けられるツールが多く含まれます。
会計・財務ソフトウェア
会計処理を効率化するためのソフトウェアです。
例:QuickBooks、Xeroなど。
CRM(顧客関係管理)ソフトウェア
顧客データを一元管理し、マーケティング、セールス、サポートを効率化。
例:Salesforce、HubSpot。
ERP(統合基幹業務)システム
複数の業務プロセスを一元管理するシステム。
例:SAP, Oracle ERP。
在庫管理ソフトウェア
在庫の状況をリアルタイムで把握し、適切な在庫量を維持。
例:Shopify、WooCommerceの在庫管理機能。
人事・労務管理ソフトウェア
従業員の勤怠、給与計算、人事評価などを管理。
例:Workday、Gusto
プロジェクト管理ツール
プロジェクトの進捗状況やタスク管理を効率化。
例:Asana、Jira。
Eコマースプラットフォーム
オンラインでの販売を効率化するためのプラットフォーム。
例:makeshop、Shopify、Magento。
マーケティングオートメーションツール
メールマーケティングや広告キャンペーンを自動化。
例:Mailchimp、Adobe Marketing Cloud。
ビデオ会議ツール
リモートワークやオンライン会議を効率化。
例:Zoom、Microsoft Teams。
セキュリティソフトウェア
企業のデータを保護するためのセキュリティソフトウェア。
例:Symantec、McAfee
これらは一例であり、補助金の規定や業種、業務内容によっては他にも多くのツールやソフトウェアが対象になる可能性があります。補助金を申請する前に、どのようなツールやソフトウェアが補助対象であるかをしっかりと確認することが重要です。
補助対象となるツールを探す際は『IT導入補助金』公式サイトより確認すると確実です。
IT導入補助金の主な種類は4つ!
IT導入補助金のラインナップは大きく分けて以下の通り、
①通常枠(A・B類型)
②セキュリティ対策推進枠
③デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
④デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
の4種類があります。以下でそれぞれの枠の概要をご紹介します。
通常枠(A・B類型)
中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートするものです。
通常枠(A・B類型)公式解説
セキュリティ対策推進枠
中小企業・小規模事業者等のみなさまがサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。
セキュリティ対策推進枠公式解説
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)公式解説
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
複数の中小・小規模事業者が連携してITツール及びハードウェアを導入することにより、地域DXの実現や、生産性の向上を図る取組に対して、複数社へのITツールの導入を支援するとともに、効果的に連携するためのコーディネート費や取組への助言を行う外部専門家に係る謝金等を含めて支援するものです。
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)公式解説
IT導入補助金申請の流れ
IT導入補助金を効果的に活用するためには、まずその制度自体について十分に理解することが不可欠です。初めに、補助金の基本的な枠組み、対象となるITツール、各種補助枠や補助金の上限額などを確認することが重要です。
制度について理解を深まったら実際に申請に向けて準備を進めていきましょう!
①ITツールとIT導入支援事業者の選定
補助金を利用したいツールの選定を行います。
先述の「導入できる具体的なITツール」の項目も参考に、自社のニーズに合ったツールを選びましょう。
②gBizIDプライムアカウントの取得
IT導入補助金の申請には、gBizIDプライムのアカウントが必須となります。
このgBizIDプライムは、単一のIDとパスワードで多くの公共サービスにアクセスできる便利なシステムです。まだアカウントを持っていない方は、gBizIDの公式ウェブサイトから新規にアカウントを作成することができます。
重要な点として、gBizIDプライムのアカウント発行には約2週間ほど時間がかかる場合があります。
そのため、補助金の申請締め切りに差し支えないよう、早めにアカウント作成の手続きを始めることをお勧めします。
③「SECURITY ACTION」の宣言
IT導入補助金の申請に際しては、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する「SECURITY ACTION」への参加宣言が必須条件となっています。この自己宣言は、中小企業や小規模事業者が積極的に情報セキュリティに取り組む意志を示すもので、最低でも「★一つ星」または「★★二つ星」のレベルでの宣言が要求されます。
申請書を提出する際には、この「SECURITY ACTION」で宣言したアカウントのIDが必要となるため、事前にこの手続きを完了させておくことが重要です。
④経営チェックの実施
IT導入補助金の申請プロセスには、経営チェックも必須のステップとなっています。この経営チェックは、「みらデジ」という中小企業や小規模事業者向けの経営課題解決ポータルサイトで行うことができます。申請手続きを進める前に、gBizIDと「みらデジ」がしっかりと連携しているか、そして経営チェックの結果がマイページに反映されているかを確認することが重要です。
⑤必要書類の準備
法人と個人事業主で、IT導入補助金の申請に必要な書類が異なります。
法人の場合
- 履歴事項全部証明書のコピー(発行日から3ヶ月以内のものが必要です)
- 税務署によって発行された最新の法人税の納税証明書(「その1」または「その2」のいずれか)
個人事業主の場合
- 有効期限内の運転免許証、または運転経歴証明書、もしくは発行から3ヶ月以内の住民票のコピー
- 税務署が発行した最新の所得税の納税証明書(「その1」または「その2」)
- 前年度の確定申告書Bの控え
これらの書類は、申請手続きにおいて非常に重要なので、計画的に準備を進めてください。
⑥交付申請
必要書類の準備が済んだら、次のステップはIT支援事業者と具体的な商談を始め、申請プロセスに入ることです。各企業には「申請マイページ」と呼ばれる専用のオンラインページが用意されており、IT支援事業者からの招待を受けた後でログインが可能になります。
ログイン後は、代表者の氏名など基本的な申請者情報を記入し、必要な書類をアップロードしてください。さらに、導入予定のITツールや事業計画に関する情報は、IT支援事業者から入力してもらう形となります。
交付決定後、ITツールの発注・契約・支払い
交付申請を完了して事務局から「交付決定」を受けたら、ITツールの発注と契約、支払いなどを行います。この交付決定の連絡をもらう前に契約などを行ってしまうと、補助金の対象外になりますので、十分に注意してください。
IT導入補助金申請のポイント
IT導入補助金は、自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていただくことを目的としています。
IT導入補助金を活用して単にITツールを導入したとしても、それが自社の課題に適していなければ経営改善を図ることはできません。まずは現在自社がどのような課題を抱えていて、デジタル化の進捗状況を踏まえ何を取り組むべきなのかを把握することが重要です。
よくある申請不備の例
- 履歴事項全部証明書の全てのページが揃っていない
- 履歴事項全部証明書の内容と入力した企業情報が異なっている
- 法人税の納税証明書ではない
不採択理由で意外にも多いのが情報の不備。
不備により申請不採択になってしまわないよう、書類は提出前によく確認しましょう。
2023年度(9月15日現在)申請スケジュール
「IT導入補助金2023」の詳細が公式ウェブサイトで発表されています。現在(2023年9月15日現在)公式募集が開始されており、今年度の補助金の上限は最大450万円と設定されています。
補助の割合については、通常枠では費用の半分まで、デジタル化基盤導入枠では費用が50万円以下の場合には3/4、50万円を超える場合には2/3が補助されます。補助が適用される経費は、ソフトウェアのライセンス購入、導入の支援費用、そして月額料金(SaaSを含む)やクラウドサービスの利用費(最長で2年間まで)です。
申し込みの締め切りは、通常枠の第6回募集が10月2日(月)17:00、デジタル化基盤導入枠の第9回募集も同日の10月2日(月)17:00までとなっています。
申請を検討される方は期日に注意して、必要な準備を進めましょう。
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)が新設されました
新たに「デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)」が設けられました。
この新枠は、中小企業や小規模事業者と商取引を行っている全ての事業者(大企業も含む)が対象です。具体的には、これらの事業者が中小企業や小規模事業者に無料でアカウントを提供し、インボイス(請求書)制度に適応した受発注機能を持つITツールを導入する際に、この補助金枠を利用できます。
詳細は、「デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)」の公式ガイドラインで確認できます。
IT導入補助金の申請はお早めに
IT導入補助金を申請するための手続きは難しくなく、必要書類もそう多くはありません。
ただ、いくつかのステップがあり、特にIDの作成や必要な情報を集める作業には少し時間がかかることもあります。だからこそ、しっかりと計画を立てて、期限内に申請を済ませましょう。
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