越境ECや海外へのコンテンツ作成の時に、一番重要になる海外へのSEO対策。けれど、海外向けのSEO対策方法は何をやればいいか分からないという方も多いはずです。今回は、やらなければいけない対策を徹底解説します。
やらなければいけない対策をリストアップ
海外へのSEO対策でやらなければいけないことは、以下の7つになります。
- 言語ごとに独自のドメインやURLを用意する
- 日本のサーバーを使っている場合は、現地の海外サーバーやAWSを契約する(ホスティングサービスの確認)
- HTMLでの言語対応(サーチコンソールのインターナショナルターゲティングが終了しているので必ず設定します)
- 日本からの外部リンクを確認
- 機械翻訳や自動翻訳を使わず、コンテンツ内容を精査
- サイトの読み込みスピード確認
- 対象国が使用する検索エンジンで、競合コンテンツを調査
言語ごとに独自のドメインやURLを用意する
越境ECや海外へのコンテンツ作成の時に、まず最初に確認することはドメインやURLをどうするか、ということです。
対象のコンテンツが「.jp」のドメインの場合、それは日本を対象としたドメインとなります。
「.jp」のドメインは、日本における国別コードトップレベルドメインです。そのため、日本国内のSEOに対しては効果が高いのですが、「.jp」のまま海外向けコンテンツを作ると、日本国内に在住している別言語の方が対象となってしまいます。そのため、現地の方に向けたコンテンツという作りになりにくいのです。ただし、すでに世界でも有名な企業である場合は「.jp」でも海外の検索結果に出てきます。
では、どのようなドメインがいいかというと、方法がいくつかあります。
①対象国の国別コードトップレベルドメインをそれぞれとる
②.comドメインなどのジェネリックトップレベルドメインで、サブドメインを取得する
③.comドメインなどのジェネリックトップレベルドメインで、ディレクトリを言語ごとに分ける
対象国の国別コードトップレベルドメインをそれぞれとる
例えば、対象国が韓国、イギリス、中国、シンガポールだったとします。
その場合は以下のドメインを取得します。
対象国 | ドメイン例 |
---|---|
日本 | example.jp |
韓国 | example.kr |
イギリス | example.uk |
中国 | example.cn |
シンガポール | example.sg |
それぞれの国別コードトップレベルドメインなので、SEO対策にも良いのですが、ドメインによってはその国/地域に存在(在住)する団体(個人)でないと取得できないという制限があるものが多いです。日本にのみ会社が存在する場合は、対象国が国別コードトップレベルドメインが取得できるものなのかを確認する必要があります。
例:トヨタ
それぞれの国ごとに国別コードトップレベルドメインを使用しています。
日本(https://toyota.jp/)
イギリス(https://www.toyota.co.uk/)
韓国(https://www.toyota.co.kr/)
英語圏のサイトは.comを使用している(https://www.toyota.com/)
.comドメインなどのジェネリックトップレベルドメインで、サブドメインを取得する
ジェネリックトップレベルドメインは、分野別トップレベルドメインとも言われます。トップレベルドメインの一つで、それぞれの業種や機関によってドメインが定められています。(定めがないドメインもあります。)
.comは商取引事業者、.bizはビジネス、.infoは情報サイト(厳密ではない)など、制限がついているものが多いです。
このドメインは国別ではないため、ベースをこのドメインにすることで国の制限を気にせずに運用することができます。
言語別にページを分ける場合、まずは.comドメインを取得し、サブドメインとして以下のようなドメインの設定をすることができます。
対象国 | サブドメイン例 |
---|---|
日本 | ja.example.com |
英語圏 | en.example.com |
韓国語 | kr.example.com |
中国語 | cn.example.com |
サブドメインは1つのドメインを取れば、自分達で設定することができるので国別コードトップレベルドメインを取得するより簡単に進めることができます。
例:KDDI
それぞれの国ごとにサブドメインを設定しています。
日本(https://www.kddi.com/)
韓国(https://kr.kddi.com/)
フランス(https://fra.kddi.com/)
中国(https://cn.kddi.com/)※简体中文の場合はこちらのドメイン(https://cn.kddi.com/zh_cn/)
.comドメインなどのジェネリックトップレベルドメインで、ディレクトリを言語ごとに分ける
サブドメインではなく、ディレクトリごとに分ける方法です。この方法だと、ドメイン自体は1つ取得すれば良いのでドメイン設定に時間はかかりません。
さまざまなサイトを見た結果、ディレクトリごとに分けて運用している大手企業が多いように感じました。
対象国 | ディレクトリ例 |
---|---|
日本 | example.com/ja/ |
英語圏 | example.com/en/ |
韓国 | example.com/kr/ |
中国 | example.com/cn/ |
ベトナム | example.com/vi/ |
例:京セラ
「.jp」ドメインを基準にディレクトリを分けています。
日本(https://www.kccs.co.jp/)
韓国(https://www.kccs.co.jp/ko/)
中国(https://www.kccs.co.jp/zh-cn/)
英語(https://www.kccs.co.jp/en/)
ベトナム(https://www.kccs.co.jp/vi/)
どのようなドメインで海外サイトを運用するか決める
①対象国の国別コードトップレベルドメインをそれぞれとる
②.comドメインなどのジェネリックトップレベルドメインで、サブドメインを取得する
③.comドメインなどのジェネリックトップレベルドメインで、ディレクトリを言語ごとに分ける
日本のサーバーを使っている場合は、現地の海外サーバーやAWSを契約する(ホスティングサービスの確認)
掲載されているサイトが自国のサーバーにアップされているかも重要になってきます。日本のみのサーバーの場合、日本国内のコンテンツと判断される可能性もあります。
多数のエリアで利用されているサーバーの場合はそのような評価をされる可能性が低いと言われていますので、AWSなどの多数のエリアで利用されているサーバーを選択するのが良いです。
日本のサーバーを使用する場合は、海外からのIPを制限していることがありますので、そのような設定がされたまま運用していないかを確認することが大切です。
自社で使っているサーバーがどの国のサーバーかを確認
・もし日本国内のサーバーなのであれば、AWSなどのサーバーを検討する。
・海外のIPを制限していないか設定を確認する
HTMLでの言語対応(サーチコンソールのインターナショナルターゲティングが終了しているので必ず設定します)
HTMLでの言語対応も大切になってきます。
・langタグで言語を設定
・link rel=”alternate”で多言語に対応した海外向けサイトということを検索エンジンに認識してもらう
この2つのタグを必ず入れる必要があります。
どちらも大切な設定なので、サイト公開前に設定されていることを確認しましょう。
以前はGoogleのSearch Console(サーチコンソール)で、インターナショナルターゲティングやジオターゲティングで対象国の設定をすることができました。しかし、このサービスは終了となっています。
詳しくはこちら
Googleは、インターナショナルターゲティングの代わりにlink rel=”alternate”をサポートしていることを表明しています。そのため、link rel=”alternate”のタグは必ず設定する必要があります。
HTMLでの言語対応がされているか確認
・langタグでの言語を確認
・link rel=”alternate”が設定されているか確認
日本からの外部リンクを確認
日本語サイトからの外部リンクを受けすぎてしまうと、日本のコンテンツとしての順位が高まり海外SEOとしての評価が下がる場合があります。
海外の検索エンジンでは、コンテンツの中身そのものが重要視されるため、日本の検索エンジンとはアルゴリズムが異なります。
リリース時などに、日本のサイトからの外部リンク数を受けすぎないようにすることも海外SEO対策の1つとなります。
日本からの外部リンクをどのくらい受けているか確認
プレスリリースを対象国でかけ、対象国内からの外部リンクを増やすことが重要
機械翻訳や自動翻訳を使わず、コンテンツ内容を精査
海外の検索エンジンでは、コンテンツの中身が重要視されると前の項目で言いましたが、なぜそのような違いが出るのでしょうか?
それは、日本と海外の検索方法の違いも影響していると思います。
日本では、検索するときに単語と単語を組み合わせて検索することが多いと思います。例えば、新宿の美味しいラーメンの情報を知りたい場合は「新宿 ラーメン おすすめ」など、単語を組み合わせて検索されることが多いです。
海外では、文章で検索されることが多いのです。もし新宿で美味しいラーメンが食べたい場合は「Where is the best ramen in shinjuku?」や「What is the most famous ramen in shinjuku?」など、文章で検索されます。これは言語の特徴もあるかと思います。
日本語だと、「新宿で美味しいラーメンはどこ?」「新宿の美味しいラーメンってどこ?」「新宿に美味しいラーメン屋はどこにあるの?」など、てにをは(助詞)がたくさんあるため、単語で検索した方がより良い情報が得られることが多くなったのだと思います。
海外コンテンツを作成する場合は、文章で検索されることが多いので、機械翻訳や自動翻訳で文章が変になってしまう場合はSEOに影響があると思われます。
今は機械翻訳や自動翻訳の精度も上がってきていますが、よりSEOの効果をあげたい場合は言語そのものに違和感がないようにコンテンツを作成するとより効果が出ます。
翻訳をどのような手順で行っているかを確認
よりネイティブな記事や内容にするために対象国の言語に詳しい人をアサインする
サイトの読み込みスピード確認
サイトの読み込みスピードは日本のSEOでも重要視されています。海外のSEOでも重要になっており、特にインターネットの環境や速度が日本より遅い地域などでは重要になってきます。
サイトの読み込み速度を意識した作りである方が、より高いSEO効果を得ることができます。
グローバルに対応しているサイトを見てみると、日本国内ではアニメーション多めにし、海外向けではアニメーションを減らしたサイトも多いように思います。
読み込みスピードチェック
Google PageSpeed Insights
https://pagespeed.web.dev/
でサイトスピードを確認し、改善する
対象国が使用する検索エンジンで、競合コンテンツを調査
使っている検索エンジンがGoogleだけではない可能性があります。それぞれの国でよく使われている検索エンジンがあります。中国ではBaidu、韓国ではNaverなど、それぞれの国で使われている検索エンジンがどのようなものか把握しておくことをおすすめします。
検索エンジンごとに対策が必要であれば検索エンジンに合わせた対策を行います。
また、どのような検索ワードを入れると競合の会社やコンテンツがヒットするのかを事前に調査し、SEOのワードを決めておきましょう。好まれるワードは国ごとに違いがあるため事前に調査することが大切です。
対象国の検索エンジンをチェック
対象国で使用されている検索エンジンを調査し、その検索エンジンでも、Googleでも、競合のコンテンツやキーワードを調査する
海外サイトへのSEO対策は株式会社猫の手にご相談ください
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